【盗賊】ヘイトの本質を考える⑤

前回までで【盗賊】ヘイトの要因の一つ「ハンデス」の問題点について語りました。
今回はもう一つの要因「過度なパワーカード」について語っていきます。

本当はあまり書きたくはないんですよ。だって特定のカードへの批判や愚痴なんて、良いこと無さそうじゃないですか。
「低ランの戯言乙」とか「持ってない奴の嫉妬乙」てなるじゃないですか。




まぁでも書くんですけどね。

さて、昨今のパワーカードてすごく強い(小並感)ですね。
実は私、1.3が出て少し経った辺りで半引退したんです。
それで最近復帰してぼちぼちやっているんですが、最近のSRユニットのこと皆進化ユニットだ、て少しの間思い込んでましたからね。
盤面全体に効果を及ぼして、一枚で局面をひっくり返しうるカードは当然進化ユニットだろうと思ってたんですよ。
そのくらい効果が派手で強いです。




そうしたカード達の存在がハンデスデッキに足りなかったものを与えて、超デッキ【盗賊】が爆誕した。
というのは既に書きましたね。

そんな中で、ある1枚のカードについて特に語りたいと思います。



《破壊少女シヴァ》※画像はない



最近はもう、どんなデッキにも3積みされてて、虹色のユニットだとか呼ばれてて、シヴァ無きはデッキにあらずみたいな風潮まで感じる、このカード。

この破壊少女に対する評価はだいたい二分されてて、
虹色のユニットだから、と受け入れてるグループと
修正必至!ぶっ壊れ!󾀕ね!と拒絶してるグループ(使ってないとは言ってない)
に別れると思うんですよ。

私自身のスタンスとしては、
どうせSRで最高級の人気カードなんだから、修正なんてされないに決まってる。
でも、このカードの存在を受け入れるのはいかがなものかというのが本音。


今更言うまでもないんですが、このカード、
ユニットでありながらも強力なインセプであるレイニーチェインとほぼ同等かそれ以上のバーンとしても機能します。
ユニットなのでインセプよりも腐りにくし、引きが重なってもオーバーライドしてドローソースにも出来る。
進化元にもなるし、チャンプブロックも出来て、盤面が空いてれば点取りも出来ます。
オーバークロックはほぼ一体確殺ですし、神を並べればアタッカーだってこなせます。
ユニットなのでサルベージも簡単ですし、軽減にも差せます。

「ユニットである」という要素によって、出来る事の幅がレイニーチェインよりも遥かに広いので、
火力が固定じゃない以外は実質それらの上位互換みたいなもんです。



そもそも、cojのシステムやデザイン上、ユニットカードはインセプトリガーよりも優れたカードタイプなので、
互換性のある効果を双方に持たせた場合、ユニットカードの方が強力になりがちです。
特にCIP効果を持つユニットとCIP誘発のインセプトリガーは比較しやすいですね。

一例として、《迷子》と《見習いシーフ》なんかが適当なとこでしょう。
双方が同じCPの場合、大抵のプレイヤーは《シーフ》を使うことになるでしょう。

そうした事態を避けるため、またカードパワーの観点からも、CP差によってこれまではバランスを取っていました。
ハンデスのヤバさは置いといて、1CPのインセプ効果をもったユニットが3CP、というのは

「実は見た目以上のコストがかかっているインセプ」

「その効果をを場に出るついでにやってくれるユニット」

の関係としてはそれなりに正しいコスト設定だったわけです。


「インセプには見た目以上のコストがかかっている」
と書きましたが、これについて少し書きます。
多分ほとんどのプレイヤーにとっては今更すぎることですが、インセプを使うにはそのカードのCP以外にも必要なコストがあります。
後程語りたい事と絡めたいので、特にCIP誘発インセプに関して書きますが、

・使用するためにユニットを出さなきゃいけない。単体で使えないので実質カードコストは2枚に近い。
・同様にユニット分のCPも支払わなければいけないので、見た目ほどCPコストも安くない。
・色付きインセプはその色のユニットが必要な為、インセプだけをタッチすることは出来ないので、
採用するデッキにある程度制限ができてしまう。

こんなところです。
こうしたコストがあるからこそ、パンチの効いたインセプも存在出来た、と私は考えるんですが、
それでもなお、嫌われていたカードが過去にありました。

《チェインフレイム》です。

それにしても、もう《チェインフレイム》も過去のカードか…。
当時赤が環境を支配しており、《蝿》と共にBP5000以下のユニットの人権を焼き払ってしまったこのカードを呪う声はなかなか大きかったように記憶しています。
もちろん《チェイン》のせいだけではありませんが、
脳死赤」「運営の赤調整担当はおかしい」等といった憎悪と悲哀に満ちた声を生んだ原因の一端は、《チェイン》にも間違いなくあったわけです。
これを読んでいる方の中にも実際に《チェイン》を憎んでいた人がいることでしょう。



そんな《チェイン》と《シヴァ》を見比べてみましょう。

《シヴァ》は《チェイン》程の火力を常に出せるわけではありませんが、バーンカードとしてほぼ遜色ないパワーを持っています。
それでいてユニットであることの利点をまるまる得ました。
特に先程触れたコスト面について比べてみると、なかなか凄まじいことになっています。

《シヴァ》は《チェイン》に比べ、
・単体で効果を使えるので、カードコストは実質半分。
・同様に単体で使える為、実質必要なCPコストも安い。
・使用するのに条件がないので、あらゆるデッキで使える。腐る心配もないのでとりあえず3積みでおっけー。


…えーっと、
「持ってないやつの嫉妬乙」「低ランが何を言ってんだよ」「文句言うなら辞めたら?」etc.
好きに思って頂いて結構なんですが、ぶっ壊れてるカードをぶっ壊れてる、と言って何が悪いんです?

「UCとSR比較するなんて…」そーゆー次元の話じゃないんですよ。
「虹色のユニットだからw」そーゆー茶化しもいらんのですよ。
ぶっ壊れてるもんは、ぶっ壊れてるんだから、ぶっ壊れてる、て言わなきゃしょうがないんですよ。
胸を張って言いますが、《シヴァ》はマジで、ガチでぶっ壊れてる。

ネットに公開されてるデッキレシピの中に《シヴァ》が居ない方が稀なんですよ。
それってほとんどのデッキに無色インセプになった《チェインフレイム》が3積みされてるより酷い光景なわけで、私はその光景に戦慄を覚えるんです。
そして、その光景を作ってるプレイヤーの内いったい何割位が、かつて《チェイン》の修正を望んでいたんだろう、なんてことを考えたりしちゃうわけです。


単なる《シヴァ》叩きの記事みたいになってしまいましたが、
こうしたぶっ壊れカードの存在と、それをなんのリスクもなしにデッキに組み込めることが【盗賊】誕生とヘイト拡大の要因の一つだったんですよ、という話でした。


なんか他にも書きたかったことがあった気がするんですが、忘れました。思い出したら別の機会にまた書くかもしれません。



最後に《破壊少女シヴァ》がもたらしたものを軽くまとめて今回は終わりにしたいと思います。


・《シヴァ》がcojに与えたもの

あらゆるデッキに「ユニットを横展開するデッキ」に対しての強い抑止力と対処能力。
「ユニットを横展開したいデッキ」への絶望。
哀しきスーパーミュータントデッキ【盗賊】の誕生の一因。
シヴァケアとかいう、ぶっ壊れカードを環境が受け入れてしまったが為に生まれた、狂気のテクニック。
デッキは37枚とかいう全く新しい概念。


・《シヴァ》が本当に終わらせてしまったもの

カードパワーとコストとのバランス感覚。
いくつかのデッキタイプと、いくつかのカードの存在意義。

そして…

cojそのもの

とまでは、まだまだいってないです。
ですが、このカードが何も問題がないかのごとく受け入れられてる状況には、やはり違和感を感じます。
「いやー、今にして思えばcoj自体を更地にしてしまったのはこいつだったなー」なんて話をするようなことが無ければいいなー、と思う紙束エージェントでした。



そうだ、特に取り上げてまで書く気もないからついでにここに書いてしまいますが、
ヴィシュヌ》も大概ですね。
以上。



それでは今回はここまで
次からはまた紙束晒したり、違うことについて語ったりしていきます。
もしかしたら続きでまだ語ってるかもしれませんが、
まぁ、その時に書きたいことを書くんで気分のままに、ということで